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第19回定時株主総会を開催いたしました
当社は3月28日(水)、第19回定時株主総会を開催いたしました。
開催日 :2018年3月28日(水)
場所 :アイビーホール青学会館 地下2階「サフラン」
開始時刻 :午前10時00分
終了時刻 :午前10時38分 (所要時間 38分)
多くの株主様にご来場いただきました。
足をお運びいただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
株主総会では下記のとおりご報告申し上げ、また決議を採らせていただきました。
報告事項
1. 第19期(平成29年1月1日から平成29年12月31日まで)事業報告、連結計算書類並びに会計監査人及び監査役会の連結計算書類監査結果報告の件
2. 第19期(平成29年1月1日から平成29年12月31日まで)計算書類報告の件
決議事項
第1号議案 剰余金処分の件
第2号議案 取締役8名選任の件
第3号議案 監査役1名選任の件
第4号議案 補欠監査役1名選任の件
第5号議案 当社取締役、執行役員及び従業員に対しストック・オプションとして新株予約権を発行する件
決議内容詳細については、当社コーポレートサイト投資家情報ページにて公表している臨時報告書よりご覧いただけます。
株主総会後は、続いて会社説明会を開催いたしました。
当社は2005年11月に上場し、このような業績推移となっています。
赤丸で囲ったところを見ていただくとわかるように、2006年から2008年にかけて、ライブドアショックによる経済の停滞、消費者金融の過払い金問題による混乱、それまで成長していたフィーチャーフォン(ガラケー)サービスの停滞の始まりという環境要因を受け、最初の厳しい時期が訪れました。
この3年間は次の戦略について議論し、サービス改善を重ね新たな展開に備えた期間でした。
その結果、リーマンショックを乗り越え、スマートフォンという新しいデバイスが登場し市場が拡大していく中で飛躍に繋げることができ、2010年から2015年くらいまで大きく成長することが出来ました。
そして一昨年頃、スマートフォン普及を促したiPhoneの登場から10年を迎えようというタイミングから、再び成長鈍化に直面しています。
上場来2回目の厳しい状況の中でまた次の飛躍のために何が出来るのか、試されていると思っています。
当社の業績が苦戦している具体的な理由は主に3つです。
1.プラットフォーマーの仕様変更によりトラッキング手法の変更を余儀なくされている
こちらは昨年9月後半からApple iOS上で起きている問題です。
スマートフォンが世の中の情報通信の主力デバイスになっていますが、そのスマートフォンを動かす基本ソフトであるOS(オペレーションシステム)はGoogleのAndroidとAppleのiOSの2つの寡占状態となっており、特に日本ではiOSのシェアが高く、6割強を占めています。
このiOSで、さまざまなWebサービスに使われる基本的な仕組みである「Cookie」の扱いが変更され、当社が創業以来18年間試行錯誤を重ね作り上げてきたトラッキング(広告効果捕捉)の手法を見直さなくてはならなくなりました。
私たちの最大の強みは、広告効果を把握してお客様と一緒にその効果を高めていくことが出来ることです。
トラッキングはそのために必要な仕組みであり、これに対して当社は現在も、さまざまな取り組みを続けています。
2.スマートフォン広告の「効果の踊り場」と「信用の低下」
2つ目の要因はスマートフォン広告そのものにあると理解しています。
スマートフォンが世の中に出て10年。
最初に出てきた時はスマートフォン上のあらゆるサービスがユーザーにとって新鮮で、新しいサービスがあれば使ってみたいというニーズがあり、それが当社の業績を牽引してきました。
それが時間の経過とともにユーザーから見ると新鮮味を感じられないサービスが増えて広告効果も踊り場を迎え、スマートフォン広告で広い面を持つ当社のような事業者にとってはダイレクトに影響が出ている状況です。
そして信用の低下については、インターネット全体の問題としてはSNS上に流れるフェイクニュース等によるスマホコンテンツへのユーザーの懐疑心が、もっと直接的なネット広告への批判としては、知りたい情報とは無関係の情報を載せた大きな広告をスマートフォンという小さな画面上で無理やり見せられることへの抵抗感があります。
3.SNSプラットフォーマーへの広告予算(動画広告)の集中
3つ目はFacebookやYouTube、LINE等のSNSプラットフォーマーに、市場が成長している動画広告の予算が取られていることです。
米国だとネット広告が現在も2桁成長を続けていますが、そのほとんどをFacebookとGoogleが持っていっており、日本でもSNSに予算が寄せられようとしています。
ただ、あらゆるメディアにおいて広告効果は次第に落ちていくものであり、今後もこの状況が続くかどうかは、私たちは懐疑的に見ています。
その他、市場全体の流れを見ても、デジタル広告が社会に影響力を持つ強者として厳しい目で見られる立場になった現在、さまざまな面からネット広告のあり方が問われていると言えます。
このような状況を迎えてはいますが、ネット広告は消費社会になくてはならないインフラであり、これからまだまだEコマース化社会が拡大していく中で、なくてはならない存在であることは確かです。
創業の原点に立ち返ると、
お金や利権を持っている人しか情報発信が出来なかったマスメディアに対して、個人やこれから事業を起こそうという人でもマーケティングが出来るインターネット上で広告サービスを提供しよう、
広告効果に応じて利用することが出来る「成功報酬型」というサービスにしてより小さな事業者さんにも利用してもらうことでさらに成長出来るのではないか、
メディアの皆さんに収益を還元することで新しいコンテンツの誕生を支えられるのではないか、
消費者にとっても使いやすいサービスが増えることに繋がるのではないか、
そういう思いから始めました。
いま、もう一度この顧客(広告主・メディア・消費者)の求めることを見つめ直してやっていくのが、私たちの今期の基本戦略であり大きな目標です。
ネット広告はネット上のあらゆる無料サービスの運営を支え消費者の生活を豊かにし、
アフィリエイト広告は個の情報発信をサポートし、副業や多様な働き方を可能にします。
消費者は企業からの情報に依らない利用者の声や体験情報などを求めており、
私たちはそういった情報の広がりを加速させていくエンジンや潤滑油のような存在になっていきたいと思っています。
サービスごとの基本戦略としては、新しいトラッキング手法への対応によりアフィリエイトのA8.netを再び二桁成長に戻し、動画広告の対応や広告フォーマット改善、運用方法改善によりnendとnex8を次世代広告サービスにしていくことを目指します。
トラッキング手法の移行については、プログラム全体数の約4割、売上ベースで約6割が3月末で完了しており、上半期には目処をつけたいと考えています。
その他、新規サービスへの投資も進め「アドネットワーク」「広告」という消費コミュニケーションを支えるプラットフォーマーとして「社会になくてはならない企業」を目指していきます。
引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。